分子構造計算の手法
これまでに立体エネルギーは構成元素の三次元的配列の関数であることを述べました。ここでは、ある三次元的原子配置の分子のもつ立体エネルギーを求める計算手法について考えていきます。
計算手法には大きく分けて、分子軌道 (MO, molecular orbital) 法、分子力学 (MM, molecular mechanics) 法に分けられます。前者は量子力学、後者はニュートン力学的考え方に基づいて分子を解析します。それぞれに特徴があり、目的に応じて使い分ける必要があります。それぞれの理論を理解して使用する方が良いに決まっています。しかし、たとえば自動車の運転を例にすれば、燃焼理論や機械を完全理解しておかなくても、注意する点さえ抑えておけば、安全に自家用車を運転したり或いは自動車レースに出たりすることが出来るように、量子力学、物理学を理解しておくに越したことはありませんが、計算の概要、特徴をある程度把握しておけば、大きな間違いを起こさずに計算を行ったり計算結果を解析したりすることは出来ると思います。